2023/12/22
不動産会社におけるブランディングの重要性!ブランドを高めるための3つのポイント
不動産会社において「ブランディング」活動は、顧客に自社商品やサービスの価値やイメージを伝えるために重要です。
しかし、ブランディングを深く理解している経営者や担当者は少ないのではないでしょうか。
そこで、本記事では不動産会社におけるブランディングの重要性やメリット、具体的な戦略についてわかりやすく解説します。
不動産会社におけるブランディングの重要性
不動産業界は競合他社が多く(2022年度時点での不動産会社の数は、125,638業者)、顧客のニーズも多様化しているため、生き残るためにはブランディングが欠かせません。
不動産に対する顧客のイメージは、しつこく勧誘してくるなどのマイナスイメージも残っているのが現状です。
このような状況において、不動産会社がブランディングを行うことは、以下の理由から重要と考えられます。
①認知度を高める
不動産会社は、顧客が初めて訪れることが多いため、まずは認知度を高めることが重要です。
そのためには、ロゴやキャッチコピーなどの統一感のあるブランドイメージを構築したり、WebサイトやSNSなどを通じて積極的に情報発信をしたりする必要があります。
②信頼感を醸成する
不動産取引は、高額な買い物であることから、顧客は信頼できる企業を選びたいと考えているはずです。
そのためには、コンプライアンスを遵守し、丁寧な対応を行うことで、信頼感を醸成する必要があります。
そもそもブランディングとは
ブランディングとは、企業が自社商品やサービスの価値やイメージを、顧客に伝えるための活動です。
自社の存在を顧客に認知させることで、問い合わせや来店者数の増加につながります。
結果として、成約率の向上につながる可能性があるのです。
後ほど、例としてSNSを活用してブランディングを行っている企業をご紹介します。
ブランディングとマーケティングの違い
ブランディングとマーケティングは、どちらも企業の価値やイメージを向上させるための活動ですが、その目的には違いがあります。
ブランディングの目的は、企業や商品の価値を高めることや顧客のロイヤリティを高めるためにあります。
一方、マーケティングの目的は、顧客と企業との取引を促進したり、販売の増加を目的としたりしているのです。
ブランディングはマーケティングを成功させるための土台となる活動ですが、ブランディングが成功していなければマーケティング施策を円滑に進められず、思うような結果が得られない可能性もあるということに留意しましょう。
不動産業界におけるブランディングの特徴
不動産会社でよく利用されるブランディング手法としては、有名タレント(イメージキャラクター)を起用したCMを打ち出したり、SNSを使ったりすることがよくあります。
たとえば、三井不動産株式会社は、女優の広瀬すずさんをイメージキャラクターとして起用しています。
「三井でふふふ♪」というキャッチコピーも印象的です。
CM内では、東京ミッドタウンを背景に三井不動産の街づくりを紹介しています。
新型コロナウイルスが流行した2020年頃からは、対面でのコミュニケーションが制限されるようになったこともあり、非対面でのコミュニケーションの需要が高まりました。
この流れは今でも続いており、非対面での集客手段としてSNSが注目されています。
SNSで集客をしている不動産企業事例
SNSは、写真や動画といった視覚的なコンテンツを投稿しやすいという特徴があります。
住宅や不動産の購入・賃貸を検討している際に、実際に物件を見たりモデルハウスを訪れたりしてイメージを膨らませる傾向があるため、不動産業界との相性が良いと言えます。
以下では、その具体例をご紹介します。
大丸開発株式会社 様
(https://www.youtube.com/@daimarukaihatsu/shortsより)
大丸開発様は、6つのSNSを活用して情報発信を行っていますが、中でもInstagramに注目すべきです。
Instagramのリールでは、スタッフの日常を掲載することで、見込み顧客に親しみやすさや信頼感を与えています。
また、会社説明会の様子を掲載することで、採用活動にも活用でき、採用費の削減につながります。
リール掲載は、リールタブで発見されやすく、ハッシュタグでも上位に表示されるため、住宅関連を調べているユーザーに多く露出できる機会が増えます。
そのためリールに力を入れることは、マーケティング戦略において特に有効な手段です。
グッドルーム株式会社 様
(https://www.instagram.com/goodroom_jp/より)
グッドルーム(goodroom)様は、東京都渋谷区に本社を置く会社で、天然木を活用した賃貸住宅のリノベーションを主軸に事業を展開しています。
Instagramでは、自社でリノベーションしたおしゃれな物件を紹介するアカウントを運営しており、2023年12月現在のフォロワー数は約16万人と非常に人気があります。
ハイライトでは、リノベーションした物件のルームツアーを紹介したり、おすすめ物件を毎週更新したりしています。
その結果、おしゃれな物件探しをするユーザーから支持を集め、ブランディングに成功しています。
株式会社オープンハウス 様
(https://twitter.com/openhouse_groupより)
不動産仲介や新築戸建て、マンション開発を手掛けるオープンハウス様は、「好立地、ぞくぞく。」のキャッチフレーズで、都市圏を中心に急成長を遂げています。
同社は、公式アカウントとゆる運用アカウントの2つのXアカウントを運営しています。
ゆる運用アカウントでは、同社がスポンサーを務めるスポーツチームの試合やイベントの情報を、ファン目線で発信しています。
このアカウントは、公式アカウントよりもフォロワー数が多く、プロフィール欄には公式アカウントやホームページへのリンクが設置されています。
ゆるい雰囲気で親しみやすさをアピールしながら、時折公式アカウントの内容を引用リポストすることで、自然な形で公式アカウントへの導線を構築しています。
不動産会社がブランディングを行うメリット
不動産会社がブランディングを行うと、次のようなメリットがあります。
売上へのアップにつながる
売り上げの安定は企業存続のために不可欠です。
ブランディングを行うことで、ブランド力の高い企業はマーケットにファンを獲得し、売り上げの安定を図りやすくなります。
たとえ他社で似たような商品やサービスがあっても、ブランドへの親しみ感があれば、自社を選んでくれる可能性が高くなるでしょう。
コストを削減できる
ブランド力のある会社は認知度が高く、お客様から選ばれやすいと言えます。
ブランドファンがSNSなどで情報を拡散することで、さらにブランドの認知度や知名度が高まり、新規顧客の獲得にもつながります。
さらに、ブランドファンが自発的に広告してくれることで、企業の広告宣伝コストを削減できるのも大きなメリットです。
優秀な人材を確保できる
ブランディングは顧客の獲得だけでなく、優秀な人材の獲得にも役立ちます。
自社の魅力や価値をしっかりと伝えることで、求職者に「この会社で働いてみたい」と思ってもらい採用の成功につながります。
採用ブランディングで入社した人材は、自社への帰属意識やモチベーションが高く、企業の成長に貢献してくれる可能性が高くなります。
不動産会社がブランドを高めるための3つの戦略
不動産のブランド構築には、以下3つの戦略が重要です。
ペルソナを活用したターゲット選定
ターゲットとペルソナは、どちらもマーケティングにおいて重要な概念ですが、意味合いが異なります。
ターゲットとは、商品やサービスの「想定顧客層」のことを指し、年齢、性別、職業、年収など、人口統計学、ビジネス、行動学といった属性で絞り込みます。
ペルソナとは、ターゲットに属する「個人」をより具体的にイメージできるようにしたもので、ターゲットに関する情報を収集し、その人物のパーソナリティ(性格、悩み)、ライフスタイル(よく閲覧するメディア、休日の過ごし方)、人間関係(所属しているコミュニティ、友人の数)などを絞り込みます。
両者の違いを、図で表すと以下のとおりです。
ターゲット | ペルソナ | |
意味 | 想定顧客層 | 具体的な顧客像 |
属性 | 人口統計学、ビジネス、行動学 | パーソナリティ、ライフスタイル、人間関係 |
数 | 複数 | 1人 |
目的 | マーケティング戦略の策定 | マーケティング施策の立案・実行 |
①自社のサービスを利用して欲しい「想定顧客層」を属性で絞り込む
⇩
②インタビューやアンケート、外部データなどを使ってターゲットの情報収集
⇩
③収集したデータを分析し、ペルソナの骨格作成
⇩
④人物のパーソナリティ、ライフスタイル、人間関係を絞り込む
ペルソナを作成することで、社内で顧客像のイメージの統一がしやすくなり、抱えている課題や問題点を発見しやすくなります。
企業の思想や価値観に共感してくれる人を増やす
現代では、商品やサービスが似通ってしまい、機能や性能で差別化するのが難しくなってきています。
また、これから消費の中心を担うミレニアル世代は、「モノ」を所有することよりも、「モノ」によって得られる体験や感性に価値を置く傾向にあります。
つまり、商品そのものよりも、商品によって得られる体験の向上が重要で、そのためには企業の思想や価値観に共感してもらうということが必要になってきます。
「良さそう」「使ってみたい」とユーザーが感じてもらうには、企業や商品に何らかのストーリー性があることが必然となってきます。
たとえば、先に取り上げたオープンハウスでは普段、X(旧Twitter)の中で、スポーツチームの試合などを通じてその想いを発信することで共感を集めています。
こうしたことの積み重ねが、公式アカウントへの信頼にもつながり、企業への信頼にもつながってくるのです。
住宅においても、このような潮流は同様です。
自社は、住宅を通じてどのようなブランドを提供するべきか、どのような価値を売るべきかを考える必要があります。
メディアの活用
新規顧客を獲得するためにさまざまなメディアを活用することは、マーケティング戦略としてとても有効です。
特に不動産業界ではメディアの運用が、問い合わせ獲得の鍵となります。
オウンドメディア(Owned Media)
オウンドメディアとは、企業が自社で保有・運営するメディアのことです。
商品のスペックや価格を提示するなど商品そのものの宣伝を行うのではなく、読者にとって有益な情報を伝えることにより、見込み客や潜在顧客の獲得を狙うマーケティングの手法です。
オウンドメディア一覧
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住宅購入を検討する人は、インターネットでの情報収集が一般的です。
オウンドメディアでの情報発信を通じて自社を認知してもらうことが期待できるため、ぜひ活用してみてください。
アーンドメディア(Earned Media)
アーンドメディアとは、企業が直接関与しない第三者が情報を発信するメディアのことで、企業と発信者の間で金銭のやりとりが発生しないことが特徴です。
ユーザーに自社の強みを伝えたり、ファン化したりするのが目的です。
アーンドメディア一覧
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オウンドメディアが「問い合わせに繋げる手段」なら、アーンドメディアは「認知されるための手段」だと言えるでしょう。
有料広告ではないため、コストを抑えてマーケティングを行いたい企業にもおすすめの戦略です。
ペイドメディア(Paid Media)
ペイドメディアとは、企業が広告費を支払って広告を掲載するメディアのことで、認知度を高めるのに効果的なマーケティング手法です。
英語の「paid(支払われる)」が語源です。
ペイドメディア一覧
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新商品サービスの発売やキャンペーンイベントの告知など、短期間で効果を出す必要がある場合に有効な手段です。
まとめ
本記事では、ブランディングの重要性とメリット、3つのブランディング戦略をご紹介しました。
ブランディングは、企業が自社商品やサービスの価値やイメージを顧客に伝えるための活動だとお伝えしました。
不動産業界におけるブランディングの方法としては、CMやSNS、Webサイトの活用があります。
ABABAIでは主にSNSやWebサイトを活用したブランディング戦略をご提案いたします。
集客にお悩みの経営者様や担当者様は、ぜひお問い合わせください。
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